バイクトラブル案内



駆動系トラブル①


ここでは駆動系トラブルでハンドルを切ったときの操舵がおかしい場合と、エンジンや動作は問題ないのにパワーがどうしても出ない場合について原因の推定と解説をします。







ハンドル操舵がおかしい場合


ハンドルを切ったときに「おかしいな」と思ったとに参考にしてください。

具体的には路面のちょっとした段差が大きく感じたり、ブレーキのかけ初めでわずかなショックがハンドルを通して感じることがあればこれはステアリングヘッド周りを疑います。 ステアリングヘッドの先のブレーキディスクのカシメのズレやキャリパー・スライドピンの摩耗、アクスルシャフトのゆるみ、フロントフォーク内部のスライド部分のガタなどがありますが、いちばんポピュラーなのはヘッド部分のベアリング周辺から発生している場合でしょう。長い年月の間にステムナットのゆるみで間隙が必要以上に開いたりして、それがガタとなって現れます。 そのほか、走行中のバイクのハンドルはほとんどの時間を直進状態で過ごします。

その結果ヘッドにあるベアリングは常に同じ”点”で車重を受け止めることになり、ベアリングの当たり面に”虫食い”と呼ばれる傷が入り、まるで段差が出来たようにハンドルが円滑に動かなくなったりします。 虫食いを完全に修復するにはベアリングパーツの打ち替えしかありませんが、特殊工具も必要ですし、経験のない一般人がやるにはちょっと敷居の高い作業。そこで今回は打ち替えまでは行かないけど、ちょっと動きの悪いヘッド部の掃除とグリスアップをやってみました。

ただ、疑うのは年式の古いバイクに限られます。 おおよそ5年以上、ステアリング周りをメンテしないで使用しているのであれば可能性を疑います。

それ以外でハンドリングに違和感を感じるようであればフレーム自体の曲がりを疑います。

自分で転倒した後でしたらすぐに違和感と原因を想定できるはずですが、中古でバイクを買った直後にこれを感じるのであればショップに駆け込みましょう。 このフレーム曲がりを感じるというのはかなり重症で、大手のバイクショップである程度のフレーム曲がりがあると買い取ってももらえません。 もちろんある程度の曲がりの余裕基準値、というのはありますが、バイクにのって違和感を感じるレベルは結構ひどいと思って間違いありません。 どちらにしろ素人では曲がりを直すのは困難ですから、ショップへ駆け込むか廃車にするしか方法はありません。


エンジンが始動時のトルクがでない場合


始動時にパワーが出ない可能性はブレーキの引きずりを疑います。 特に停止していてアイドリングや、アクセルを吹かしても問題ない場合は足回りに原因があることも多いです。

長く動かしていない場合でもブレーキの固着や、チェーンの固着やサビなどが原因と考えられます。
もともとディスクブレーキは構造上、引きずりを発生するものですがオーバーホールなどして引きずりが改善されるようにしましょう。 このブレーキパッドを戻しているのはピストンシールなどのゴム部分で、これを新品に変更すると引きずりが解消されることになります。

また長期間乗らないことによりチェーンが固着することも可能性としてはあります。
これはやはりチェーンがサビやすいことが問題。 日頃マメにチェーンの清掃と注油を行い、バイクを動かして油をいきわたらせることをしておけばその可能性をぐっと減らせることになるのです。
もしも明らかにチェーンがガシャガシャ鳴る場合はいつはずれてもおかしくない重い症状です。 原因はチェーン、フロントスプロケット(前の歯車)、リアスプロケット(後ろの歯車)のどれかに問題がある場合があります。 運転中なら転倒の危険性もあるので張り具合をマメにチェックするようにしてください。


チェーンは伸びても縮んでもダメ


最近のシールチェーンは耐久性が高いのですが、わずかではありますが、チェーンに伸びが発生します。 そしてあまりに伸びてたるむと最悪の場合チェーンがスプロケットからはずれてしまいます。
走行中なら一大事ですし、そこまでいかなくてもガシャガシャとうるさくて加速時の乗り心地などにも影響してきます。 チェーンは張りすぎてもサスペンションの動きを妨害するのでそれもよくない。
勝手に張りすぎる、ということはないと思われがちですが、チェーンにサビが発生すると固着して結果的に縮むことになります。

一般的にチェーンの張り具合の適正値はチェーンガイドやスイングアームにたるみ適正値が記載されています。 日々の点検時に張りすぎていないか、たるみすぎていないか確認してください。

日々の点検としてはチェーンに注油を行って、張り調整をおこないます。 普段からこれは行っておきたいところです。
まずウエスでチェーンの表面汚れをふきとり、専用のチェーンオイルを吹き付けます。 チェーンの張りの調整は、後輪の軸を締めているナットをゆるめます。
タイヤを完全には外さない状態で、アジャスターボルトを調整します。

スプロケットの磨耗に関しては基本的には目視点検になります。
スプロケットの歯をみると正常なら富士山型の台形ですがすり減ってくるとノコギリの歯のように尖ってきます。 その状態で使用するとチェーンにもダメージがあります。
エンジン側前輪のフロントスプロケット(ドライブスプロケット)はカバーを外せば簡単に確認できますし、リヤスプロケット(ドリブンスプロケット)はそのままでも確認できます。






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